マッキー牧元の「ポテサラ酒場」
日本酒バル 炉端ぺし

公開日:2017/01/03 < 第8回 >

白と赤のコントラストが美しいポテサラ

酒のつまみは数あれど、とりわけポテトサラダをこよなく愛すマッキー牧元氏。「ポテサラ学会」の会長でもある氏が、ポテサラが旨いと評判の店に足を運び、その美味しさとビールとの相性を語る――。

■マッキーさんも感動の美しさ

ベーコンがゴロリとした迫力系、揚げたポテトを使ったあったか系、野菜ふんだんの文字どおりサラダ系……数々のポテサラを紹介してきたこのコーナーで、美しさは今回のものが一番かもしれない。

旬のジャガイモをなめらかにマッシュしたポテサラは中にマカロニが入っているだけの、白さが際立つシンプルなもの。その上には赤くきらめくイクラがたっぷりとかけられているのだ。白と赤のコントラスト、そして添えられたノリの濃緑が色合いを引き締めている。その美しさときたら!

「ほぉ、これはきれいだね。素晴らしい!」とマッキーさんの瞳もキラキラだ。

常連客ほどよく注文するという「ぶっかけイクラのポテトサラダ」(842円)。ジャガイモは旬のものを使用。なめらかに潰し、マカロニを加えて味噌ドレッシングで味付け。そこにたっぷりとイクラをのせ、ノリを添えて出来上がり。ポテトだけ。イクラをポテトで包んで。イクラとポテトをノリで包んでと3つの味が楽しめるので、それぞれに『赤星』と合わせて堪能できる逸品だ

■ジャガイモをノリで巻く! 3つの食べ方に衝撃

今回、訪れたのは人形町にある『日本酒バル 炉端ぺし』。店名の通り、主に日本酒を出す店だが、「赤星」も多くのファンに楽しまれているという店だ。

「ウチは日本酒が多くあるので、肴の食材に魚介が多くあります。それを上手く生かせないかなと思ったのが、このポテサラの原点です。最初はイカやエビ、キュウリなどを加えたものを出していたんですが、どうも味のバランスがよくなくて(笑)。

何度か改良していくうちに、具材を加えるのではなくシンプルにしたほうがジャガイモとイクラの味が際立つことがわかり、今のぶっかけスタイルになりました」(店主・中村さん)

店主の中村さん

引き算でシンプルだとはいうが、マヨネーズは控えめにし、玉ネギのすり下ろしを加えた味噌ドレッシングで味を調えているという。

さっそく苦労の末、完成したポテサラをいただいてみる。

「ふむ……ポテサラだけ食べると味噌が少しふんわりと感じられる味わい。なのにイクラをジャガイモで包んで食べてみると、ポテトのほの甘い味の後にイクラの風味・塩味がふわっと口の中に広がって、これはいいね。不意に出てくるマカロニもお得感があってうれしいし。

そして、これ。ノリで包んでいただけば、おぉ、これは全く別物。ノリの持つ磯の香りとパリッとした歯触りがまた違った表情にしてくれる。面白い!」と大絶賛。

さらにここに『赤星』を飲めば、

「おぉぉ、なんてエレガント! ポテサラの味が華を持ち、実に上品になってしまうんだよ!『赤星』にほどよい苦味、香りがあるからこそ、そうさせるんだろうね」

「いやはや、これは美味しい」とノリで巻いてはパクパク、グビリで、ポテサラを残しついノリを食べきってしまう。

「大丈夫ですよ。ノリの追加は結構多くのお客さんからお願いされるので。最初から倍くださいなんて方もいますし(笑)」(中村さん)

追加のノリとともに、きれいにポテサラを食べ終わったところで、恒例のアレ。ポテサラをファミリーに例えていただきましょう。

「これはもう北海道でしょう。北海道にいる親戚の家に訪れてみたらその良さにびっくり。すっかりハマってしまった夫婦……あるいは、定年後にふたりで北海道に移住した夫婦とか。マカロニはそこにたまに遊びに来る孫。そんな感じでしょ」とニンマリ。

日本酒もいいけれど、“北海道を感じさせる『赤星』とポテサラのマリアージュ”を味わいに東京は人形町に出かけてみませんか。

■これも「赤星」に合います!

「魚だけじゃなく肉も用意していますよ。これなんかはビールがグイグイ進む味だと思います」と中村さんが出してくれたのは、豚肉料理。それも熟成豚と酒粕を使った「熟成豚の酒粕味噌漬け焼き」(1058円)だ。

味噌と酒粕の風味が熟成豚の甘みと心地よくからみ合い、さらに香ばしさも加わって、まさに「赤星」が進む味。

そしてもう一品は「スルメイカの陶板焼 肝ソース和え」(842円)。肝ソースと鮮度良いイカが陶板の上で熱せられ、口に含めば、イカの濃厚な風味が口いっぱいに広がる。もちろん、こちらも「赤星」が進まないわけがない。

また、陶板に残った肝ソースをリゾットにしてくれる裏メニューもあるそう。肝ソースを美味しいからと全部食べず、このリゾットも是非堪能してほしい。

日本酒は若手が造る人気銘柄から、燗にして美味しい骨太なものまで揃う。ビールは料理によく合う『赤星』1種類のみを置いている

構成:武内慎司
撮影:西﨑進也

店舗情報

日本酒バル 炉端ぺし

[住所] 東京都中央区日本橋堀留町1-8-7 堀留スワンビル1階

地下鉄日比谷線ほか人形町駅A5出口から徒歩5分

[TEL] 03-3663-1061

[URL] https://www.facebook.com/nihonsyupeshi/

[営業時間]

17:00~23:00(22:00LO)

[定休日]土・日・祝

カウンター9席、テーブル16席 計25席、全席禁煙/予約可/カード可

【プロフィール】

マッキー牧元

タベアルキストを自称して早30年。ひたすら美味しいものを食べ歩き、それを生業とすべく小誌の連載「おいしい往復書簡」のほか、各誌で活躍するコラムニスト。また食雑誌『味の手帖』編集主幹でもあり、近著に『出世酒場』(集英社)がある。

ポテサラ酒場

File No.9

  
最後は自分で……混ぜて完成させるポテサラ

酒のつまみは数あれど、とりわけポテトサラダをこよなく愛すマッキー牧・・・

ポテサラ酒場

File No.8

  
白と赤のコントラストが美しい異色のポテサラ

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食感と味に仕掛けあり!食べ飽きないポテサラ

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黒いカシミアのタートルと「磯野家」のカキフライ&かきめし

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グローバーオールのダッフルコートと「グリルエフ」のハヤシライス

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浅草・観音裏のカウンターで感動的な「雪辱戦」

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バーバリーのステンカラーコートと「酒処 よしの」の赤いウィンナー

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ブルックス ブラザーズのBDシャツと「とよかつ」のまくら

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シャンブレーシャツと「福ちゃん」の焼きそば

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