- 昭和なアニキが語る定番服と赤星の名店「アニ散歩」
- まるや 恵比寿横丁店
公開日:2016/12/21 <15本目>
ガンジーセーターと「まるや 恵比寿横丁店」の 味噌ダレのやきとん
最近ネイビーのニットばかり着ている。その中でもこのガンジーセーターは、イギリスとフランスの間にあるガンジー諸島で生まれた、正に海で働く男のニットだ。つい北島三郎先生の「北の漁場」を口ずさんでしまう。

そんな男くさいニットで向かったのは恵比寿横丁だ。ここは元々、山下ショッピングセンターという昭和な市場の跡地に再開発として2008年にオープンした。ザックリ言うと、横丁のテーマパークといった感じ。こういった昭和遺産の再開発は素晴らしいことだ。

大衆酒場が昭和な横丁のように所狭しと並んでいる。

アニ散歩ではリアル昭和なDEEPスポットの紹介が多いが、ここは大衆酒場ビギナーや女子飲みの方にも入りやすいのでおすすめだ。

どの店で飲むか迷ってはいけない。俺は「まるや」と決めている。恵比寿駅側の大通り側の入り口から入ってすぐ右側だ。しっくりくるカウンターでいつもの「赤星」を注ぐ。

美味すぎる。やはり「赤星」は横丁が似合う。なぜカウンターがいいかと言うと、後ろにある入り口がポイントだ。ここ恵比寿横丁は、意外と女子だけのお客が多い。
つまり入り口から入ってくる女子は必ずここを通過するのだ。俺は一人呑みなのでナンパはしないが、ボーイ・ミーツ・ガール的な出会いの場でもある。
「恋をとめないで~♪」
そう男子よ。恋をとめてはいけないのだ。

なんか楽しい出会いの横丁気分になってきたが、「まるや」のおすすめは何といっても名物のやきとん。

「まるや」は味噌ダレのやきとんの元祖と言われる野方の名店「秋元屋」で修業された方が独立してはじめた店なのだ。あの味が恵比寿で味わえるなんて、かなり嬉しい。
「秋元屋」の詳しい話は赤星★探偵団の俺が尊敬する大竹聡さん連載の第1回を。
https://www.akaboshi-tanteidan.com/gendaibusiness/marathon/marathon-no1/

右から、かしらあぶら・はらみ・レバの味噌だれ。一番左は塩味の肉巻生姜。

強烈に美味すぎる。絶妙な味噌ダレとジューシーなモツの濃厚なファンタジーだ。生姜を豚バラ肉で巻いた肉巻生姜もヤバい。
気絶&気絶&気絶&気絶な「アニキ4本セット」と注文してくれ。悶絶すること間違いなし!

目の前にある煮込みも食べたい。

こいつも美味い。やさしい味でモツがめちゃくちゃ柔らかく、こりゃあ「赤星」がすすむ。

ついついビートたけしの「浅草キッド」を口ずさんでしまう。

偶然となりに座ったスウェーデンの方と乾杯。恵比寿ということもあり外国の方も多い。つたない英語で日本の大衆酒場やホッピーを説明し、スマホで「アニ散歩」を見せると「クール!!」と嬉しいリアクション。ちょっと気分が良くなってきたぞ。

横丁セッションもここの楽しさ。パリなかやまさんは流しとして主に恵比寿横丁で活動している。流しとはギター片手に酒場などで歌を歌いチップをもらう古き良き昭和文化だ。
歌をリクエストするもよし、生ギターカラオケで自分が歌うもよし。俺はエアギターでパリなかやまさんといつもの『時代おくれ』を熱唱した。
パリなかやまさんの情報はこちら
http://www.pari-nakayama.com/
運が良ければここで流しを楽しんでくれ。酒と歌と横丁は国境を超えると思い、俺は恵比寿のいつものスナックへと店を出た。

ル トリコチュールのガンジーセーター。今もハンドメイドで作られていて、着込むほどに目が詰まり体に馴染んでくる。独特な英国ニットのゴワゴワ感は働く男の伝統と魂を感じさせる。
Text:Eiji Katano
Photo:Kou Maizawa

まるや 恵比寿横丁店
[住所] 東京都渋谷区恵比寿1-7-4
[TEL] 03-5420-8506
[URL] http://www.ebisu-yokocho.com:8080/FCMS/jsp/fcms/publish/shop/shopIndex.jsp?value=ebisu000004
[営業時間]
17:00~24:00
定休日 日
※営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。
【プロフィール】
片野英児(かたのえいじ) 1968年生まれ。昭和とメンズ服飾を愛してやまない48歳。小誌編集長の干場(ほしば)がアニキと呼んだことから、いつしかアダ名がアニキに。趣味は、スナックで昭和カラオケ。呑みすぎると、歌いながら、なぜか干場と泣き合う熱き男。好きな場所は軍艦島。
『ガンジーセーターと「まるや 恵比寿横丁店」の 味噌ダレのやきとん』
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