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団長が行く File No.40

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

「餃子の王さま」

公開日:

あのお店はなぜ時代を超えて愛されるの? お客さんがみんな笑顔で出てくるのはどうして? 赤星探偵団の5代目団長・宇賀なつみさんが、名店の暖簾をくぐり、左党たちを惹きつけてやまない「秘密」を探ります――。 (※撮影時以外はマスクを着用の上、感染症対策を実施しております)

■昼型呑兵衛を心よく受け入れる街

浅草は宇賀なつみ団長にとって馴染み深い場所だ。局アナ時代、そのキャリアの多くを朝の情報番組を担当して過ごした宇賀団長は、深夜か早朝に出勤し、午前中で終業というのが日常だった。

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

つまり昼過ぎには早くも飲みモード全開なのだが、困るのは店探しだ。ランチ営業で忙しい店で長居するのも申し訳ないし、サラリーマンたちが昼ごはんをかき込んでいる横での昼酒も気が引ける。

その点、浅草には真っ昼間から気兼ねなく飲める店がめじろ押し。街全体が宇賀団長のような昼型呑兵衛を受け入れてくれる万全の体制なのだ。

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

仲見世通りにほど近い「餃子の王さま」も、昼から一杯やるのには格好の一軒。店名からチェーン店のような印象を得るかもしれないが、1954年創業で70年近い歴史がある個人店である。

宇賀団長は同じく早上がりの後輩と共にこちらの店に直行し、餃子&ビール、つまり料理とドリンクの最も美しい組み合わせの一つといわれる“ギョービー”をキメた。今日は念願の再訪が叶ったカタチだ。

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

「そうでしたか、いらしてくださってたんですね。ありがとうございます!」と、よく冷えたサッポロラガービール、通称“赤星”を持ってきてくれたのは、3代目店主の佐々木光秋さん。何はともあれ、まずは一杯。

――いただきます!

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

宇賀: くぅーーっ。ちょっと寒くなってから、温かいところで飲む赤星もまたおいしいんですよ。

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

宇賀: 早速、餃子をいただきたいです。そうそう、野菜メインの「王さまの餃子」と肉メインの「肉餃子」があるんですよね。まずは、王さまの餃子から! それとザーサイもください!!

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

■作り置きせずにその場で“握る”

「はいよ、じゃあ、餃子握るね」と佐々木さん。

餃子を“包む”ではなく、“握る”と言うのが常だ。こちらの店では、餃子は作り置きせず、焼く分だけを直前に厨房で皮に包む。いや、なるほど握るものかもしれない。

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

王さまの餃子は皮にヒダを作らずにぎゅっと押さえて両端を小さく折り返して仕上げる。その動作は確かに握っているようだし、注文を受けてからテンポよく作っていく様は握り鮨のそれにも似ている。

即座に王さまの餃子がやってきた。こんがり狐色になった焼き上がりは揚げ餃子のように見える。お酢+醤油+ラー油でいただく。

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

宇賀: んー、おいひー! そうそうこの餃子をまた食べたかったの。皮がカリッ、モチッ、中の餡がフワッ、ジュワッで、たまりません。

(すかさず赤星をグビリとやって)はい、ギョービー、やっぱり最高! さすが餃子の王さま!

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

■冬が深まると餃子の旬がやってくる

王さまの餃子を今度はお酢+コショウで味わい、またまた恍惚とする宇賀団長。野菜の甘味がすごいと感心しきりだ。

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

「具材はキャベツ、ニラ、玉ネギ、豚挽肉、ニンニク。9割はキャベツだね。愛知県渥美半島産のキャベツを使っていて、これから冬が深まると、巻きがしっかりしてさらに旨味が増してくるんですよ。逆に夏場は苦労するんだけどね」

宇賀: へぇ〜、餃子の旬は冬なんですね。どちらかというと夏のイメージがあったから、意外。

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王さまの餃子は焼き方も特徴的だ。多めの油を高温に熱し、差し水はせずに1〜2分間、一気に揚げ焼きの状態にする。

一方、肉餃子は餡のほとんどが豚挽肉で、まさに肉を味わうための餃子。皮もひだを作って包み、焼きにおいても水を使い、7〜8分かけてじっくり焼き上げるという。

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

宇賀: では、肉餃子もお願いします。それと、ニラレバーも!

ニラレバーは、分厚く大きなレバーがこれでもかとたっぷり入った一皿。白いモヤシ、グリーンのニラの色もよく映える。

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

宇賀: うわ、おいしい〜。レバーがプリッとしながらやわらかくて、とても滑らかな舌触り。臭みは一切なし。旨味がいっぱいだけど、いくらでも食べられそうな上品なおいしさ。そして、モヤシとニラもシャッキシャキで、完璧に調和してる。

このニラレバー、どうしてこんなにおいしいんですか?

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

「まず何よりもいいレバーを仕入れることだね。〆たばかりのレバーを朝届けてもらい、午前中に下処理をしてしまいます。それと、うちの料理は調理ではコショウを使わないんですよ。コショウを使うと簡単に風味を加えられるんだけど、ある意味、素材本来の味を隠すことにもなるから。辛味やスパイシーさは、卓上のラー油やコショウでお客さんが自分で足せばいいかなと思って」

肉餃子は客からの要望で30年ほど前にメニューに加わったという。ひと口食べた宇賀団長は目を丸くしている。

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

宇賀: これは想像以上に肉! 力強い肉の味わいをガツンと楽しめる、ありそうでない餃子。こちらも赤星と合うし、王さまの餃子と甲乙つけがたいですねえ。どちらも頼んで食べ比べるのが正解!

あと、〆にはやっぱりごはんか麺をいただきたいんだけど……迷うなあ。決められないよ(笑)。

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

余るようなら、カメラマン以下スタッフが平らげますから、食べたいものを存分に頼んでくださいーーそう聞いた宇賀団長は、目の輝きが一気に増した。

じゃあ麺はこれで、ごはんものはこれ、と追加注文しつつ、ラーメン・半チャーハンセットは……やめておこう、と最後の理性だけは保った。

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

■「うちより旨い餃子に出会えなかった」

「餃子の王さま」は佐々木さんのおじいさんが開いた店だ。餃子といえば水餃子と決まっていた戦後間もなく、なにか商売を始めないといけないと、焼き餃子に目をつけた。当時、浅草で焼き餃子を出すのはこちらの1店のみ。個性的かつ完成度の高い餃子はほどなく評判となり、店は繁盛した。

ところが、佐々木さんは多感な時期から「こんな店はやりたかねえ」と反発し、お父さんとケンカして飛び出してしまった。他の仕事をしていた佐々木さんが店に入って手伝うようになったのは、30歳の頃だったという。

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

「よそで餃子を食べても、うちより旨いと思った店は一軒もなかったんだよね。歳を重ねて祖父や親父がいかに丁寧な仕事をしているかが見えるようになってきた頃でね、よし継ごう!と自然に思えるようになったね」

宇賀団長は、「五目そば」をハフハフとすすりながら、うんうんと聞いている。赤星は2本目が空きそうだ。

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

宇賀: めちゃくちゃおいしいです。何をいただいても、口当たりが優しくて、後味もすっきり。本当に丁寧な仕事を受け継いでいらっしゃるんだなあと感じます。

それなのに、ちょっとお安くないですか? 浅草の一等地で、今どきラーメンが530円、この豪勢な五目そばも800円って……。

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

料金はなんと20年前から据え置き。消費税も原材料費も光熱費も随分と上がったはずだから、その陰にある経営努力は並大抵のものではないだろう。

「仲見世の人間は人一倍シビアでね(笑)、うちは観光客よりも地元の商売人や常連さんが相手だから、なかなか上げられないよ。仕入れとか、自分が動いてコストを抑えられるところは抑えて、どうにかこうにかやってる。これからもなんとか工夫してできるだけお値段据え置きでいきたいけどね」

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

佐々木さんの心意気に感心しつつも、宇賀団長は、熱々の「天津丼」に夢中だ。ケチャップを使わずすっきりと仕上げた甘酢餡がふわふわの玉子によく絡んで、あと引く旨さ。

宇賀: はっ、ふ、お、おいひいです。こうして安心しておいしいものをいただけるのは、本当にありがたいです。

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

ーーところで、こちらではなぜ赤星を置いているんですか?

「私自身が好きだから、味がね。深みがあってどんな料理にもよく合う。餃子はもちろん、その天津丼なんかとも相性がいいでしょ?」

宇賀: バッチリ! 本当は揚げ焼きそばとチャーハンもいただきたかったけど、さすがにもうお腹いっぱい。赤星との相性をチェックしに、そのうちまた必ずうかがいますね。

浅草「餃子の王さま」ギョービーの女王になりたくて

――ごちそうさまでした!
(2021年11月12日取材)

撮影:峯 竜也
構成:渡辺 高
ヘア&メイク:ATELIER KAUNALOA
スタイリング:近藤和貴子
衣装協力:ストラ(ニット¥28,600スカート¥18,700)
ヴァンドーム ブティック 銀座三越店(イヤリング¥13,200)
ヴァンドーム青山 プルミエール 伊勢丹新宿店(リング¥28,600リング¥31,900)
ダイアナ 銀座本店(ブーツ¥29,700)

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