おでん文化は地方によって異なる。ずっと気になっていた本物の静岡おでんを求め、聖地静岡へ。元々戦後の食糧難の時に、処分していたモツなどを利用して屋台から広まったと言われている。真っ黒のだし汁で海が近いこともあり、練り物などが加わり独自に発展してきたソウルフードだ。
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静岡おでんと言えばSNSでもよく見かける、青葉おでん街。居酒屋スタイルで静岡おでんが楽しめる昭和スポットだ。
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まだ昼間で、かなりいい感じだが、どこも営業していない。ここで「ぷはっ!」っと、ルービーをかましたいとこだが、俺が向かっている場所はここではない。さらにローカルに根付いた、アニスポットを求め歩く。
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静岡駅から少し歩くと浅間神社への参道、浅間通りにたどり着く。なんとものんびりした静岡グルーヴがたまらない。
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バブアーのソルウェイジッパーは着込んでオイルも抜け育ってきた。ベルトは付けないのがアニスタイル。
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レッド・ウィングのフラットボックスは赤羽からミラノ 、そして静岡でも愛すべき相棒だ。さてと、昭和な浅間通りに佇む「おがわ」と書かれたのれんを潜ってみよう。
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サザエさんも来店しているのか?これは油断できない。元々駄菓子屋だったらしいぞ。
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女将さんグルーヴで瞬間気絶! これは間違いない。はじめての静岡おでんは、何からいくか?
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そんな時は、女将さんに相談だ。目の前でもう我慢できない。なんともいい香りと湯気がたまらない。創業以来60年以上継ぎ足している真っ黒のだし汁は、牛すじから取り醤油で味付けしている。
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まずはこの3品からということで、女将さんオススメのだいこん、黒はんぺん、牛すじにしてみた。黒いだし汁は入れず、イワシとサバの魚粉と青海苔をかけるのが静岡スタイル。ちなみに静岡でこの魚粉は、お好み焼き、焼きそばなどにもかけるらしい。
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こいつでこれが食べたかった。俺が俺に注ぐ至福の瞬間。
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静岡で流し込む「赤星」は、いつもよりさらにウマいぞ。俺の時を刻むハミルトンも喜んでいる。
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もうこれは、おでんではない。これが本物の静岡おでんか? 強烈に黒はんぺん気絶! 今まで食べたことがない食感だぞ。駿河湾の風が俺の中で吹きまくっている。だいこんもだし汁が染み込みまくっている。さらに牛すじは、気絶の向こう側で昇天。スジというか、これはもう極上肉だ。おでんと言うより醤油ベースの牛煮込みで、肉肉気絶!西の方の牛すじとは全くの別物だ。
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気がついたら再び女将さんのところに立っていた。もうこうなったら女将さんとランデブーだ。次の3品はどれにするか2人だけの時が流れていく。
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信田巻(タラのすり身に油揚げを巻いたもの)、しらやき(タラのすり身)、(じゃがいも(北海道産)の3品。
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すり身がウマすぎるし、じゃがいもホクホクで、もう「赤星」がとまらない。お酢も砂糖もお酒も使わない化学調味料無しのだし汁は、素材本来の味を見事に生かししている。
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女将さんは3代目で戦後に先代が駄菓子屋とおでん屋をはじめた。当時は常連のみにお酒を出していて、近所の子供達や飲兵衛で賑わっていたらしい。
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この通りは当時多くの人で賑わっていて静岡では1番栄えていたとのこと。今は駅前が中心地だが、こんな落ち着いたローカルな感じも悪くない。
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先代の前はこの地で運送業や製氷屋をやっていたと聞き、何かグッと来るものがあった。この通りは今、シャッターが閉まったままの店もあるが、いつまでも「おがわ」を続けてほしいものだ。
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後ろで昼からおでんの仕込みが大変だなと思って、よく見たらカニ? 聞いてみると、おでんではなく、なんと常連のお客様がセイコガニ(ズワイガニのメス)を、みんなで食べるため作業していたのだ。従業員かと思っていたら、それはお店のTシャツを着ていた方だけで他はお客だったとは。このユルさがイイネ!
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と言うことで特別に、おでんのだし汁を使ったセイコガニをいただくことに。マジで強烈にウマすぎる!
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気がついたら「おがわ」のTシャツを着て、静岡割りを飲んでいた。
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女将さん、家族の皆さま、心からアニがとうございました。あたたかすぎてファミリー気絶!さてと、せっかく静岡まできたのでもう少しブラブラあてもなく飲み歩くかな。
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バブアーのソルウェイジッパー。バブアーの隠れた名品で2ワラントのビンテージ。オリーブというセージとは違った少しブラウンにも見える絶妙な色もたまらない。ベルトは外して着るスタイルが気に入っている。オイルが自然に抜けてきたのでベタつかなくなり、いい感じにエイジングされてきた。
Text:Eiji Katano
Photo:Shimpei Suzuki
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