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団長が行く File No.50

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

「肉ホルモン てつ腕」

公開日:

今回取材に訪れたお店

肉ホルモン てつ腕

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あのお店はなぜ時代を超えて愛されるの? お客さんがみんな笑顔で出てくるのはどうして? 赤星探偵団の5代目団長・宇賀なつみさんが、名店の暖簾をくぐり、左党たちを惹きつけてやまない「秘密」を探ります――。 (※撮影時以外はマスクを着用の上、感染症対策を実施しております)

ギョービーもいいけどホルビーもね

生まれる前から結ばれることが運命で決まっていたに違いない、相性抜群のカップルは存在する。その代表が餃子とビール、いわゆる「ギョービー」だ。そして忘れてならないのがホルモンとビール、誰が呼んだか「ホルビー」。ポ○モンに同名のキャラがいるらしいが、赤星探偵団的には、ホルビーと言えば即ち、熱々のホルモン×冷え冷えのサッポロラガービールというベストカップルを指す。

さて、向かった先は大阪・難波。宇賀なつみ団長は今宵、ホルモン焼きの本場へ「ホルビー」をキメにやってきた。選んだのは、路地裏にある「肉ホルモン てつ腕」。店主の平野成徹さんとパートナーである女将の小林政枝さんが切り盛りする小体な店だ。

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

テーブル席に腰を落ち着けた団長の第一声に迷いはない。「赤星ください!」。そう、サッポロラガービールをキュッとやらないことには、何事も始まらない。

――いただきまーす!

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

宇賀: (くいーと飲って3秒真顔。その目はすでに壁の品書きを捉えている)あーっ。おいしいっ! さ、食欲に火がつきました。よーし、食べるぞ、飲むぞ!

女将が毎日手書きしているという品書きには、日付と共に「1274日目」と記載されている。「オープンから営業した日数なんです。5年目に入りましたね。私、何度も書き間違えてるから、正しい数字じゃないと思いますけど」と女将さんは笑う。

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

もともと大阪の別所で平野さんのお母さんがやっていたホルモン焼き屋を、平野さんは大きな焼肉店での修業を経て引き継いだ。そして、もう少し賑やかなところでやってみたいと、5年ほど前にこの地へ引っ越してきたそうだ。

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

今ではなんばグランド花月に出演する芸人たちがよく訪れるほか、難波界隈の焼肉や酒関連の同業者にも贔屓にされているという。

そんな常連客のお目当ての一つがナムル。その盛り合わせはオーダー必須の人気メニューだ。一人客用に小盛りにもしてくれるのがありがたい。

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

宇賀: わーーっ! 何これ。すごい。こんな楽しいナムル見たことない。

(レンコンのナムルをポリポリやって、赤星をグビリ)ハハハ、なんだか笑いがこみ上げてきちゃう。私、このナムルの小盛りだけで1時間飲めますよ。

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

いろんな野菜が1種類ずつ丁寧に仕込まれたナムルが、ぎゅっと一堂に会する様がなんとも愛らしい。

この日は、豆もやし、ぜんまい、レンコン、かえりジャコ(魚もあった!)、ほうれん草、ミョウガにジャガイモ、ニンジン、岩のり、ゴーヤ、プチトマト、きのこ……。

とにかくこの盛り合わせ、いろんな味をちょっとずついただけるナムルの宝石箱だ。

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

鮮度抜群のホルモン大合戦

さあ、さっそく焼いていこう!

当店のウリはなんと言ってもホルモン。紅白歌合戦よろしく赤ホルと白ホルのチーム別にラインナップされたホルモンたちを紹介しよう。

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

【赤ホルチーム】
ハラミ ツラミ アゴ 肝 ココロ アブシン

【白ホルチーム】
シマ腸 アカセン 天のミノ ミノサンド タケノコ ウルテ 焼センマイ

いずれもホルモン界のツワモノ揃い。団長はここでも迷わず、いろいろ味わえる盛り合わせのハーフをチョイスした。

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

ほどなくやってきたホルモンたちは、どれもエッジがピンッと立っていることからもその鮮度の良さが伝わってくる。これまた一切れずつあれこれ楽しめる、お一人様垂涎の一皿だ。

宇賀: すごっ! これでハーフですか!? これでさらに2時間は飲めそう。ご主人、どの部位か説明していただいてもいいですか?

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

「えーと、時計で言う1時の位置にあるのがシマ腸……大腸ですね。その下がハツ、タケノコ、大動脈の部分でコリコリって呼んだりもしますね。アカセンは赤センマイの略で、えーっと関東ではギアラですね。ほんで……」と解説してくれるが、声も小さく何だかかぎこちない。

そこへすかさず女将さんが横槍を入れる。

「今日、この人、ひじょーに緊張してます。もうガチガチですわ。実は昔っから宇賀さんの大ファンなんですよ」

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

「あ、すんません。報道ステーションのスポーツキャスターをやられていた時から、ずっと大ファンでして……。今、宇賀さんがうちのような小さい店にいてはるなんて、ホンマ信じられません。夢のようですわ。ありがとうございます」と平野さんは恥ずかしそうに話す。

この日のホルモン盛り合わせハーフサイズには9種類が盛り込まれて、なんと、たったの550円。宇賀団長が「安すぎます!」と驚きの声を上げると、「ちょっと一切れ二切れ多く入れちゃいました。ファンなもんで」とまた照れた。

盛り合わせの内容は、店主や女将の気分にもよるということをどうかご容赦いただきたい。

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

「てつ腕」の角がピンと立ったホルモンたちは、焼かれるとさらにプリッと立体的になってくる。できるだけ食感よく、歯切れよくと、とても丁寧な包丁が入れられているからだ。

熱々のアブシン(脂付きのハツ)をほおばった団長に笑顔がこぼれる。キンキンに冷えた赤星も、そりゃグイーッと進むというものだ。

珍しいところでは、ほとんど流通していないという和牛のミノが出色。裏表に細かい包丁を入れて編み編みになった様が、まるで七夕飾りの天の川のようなので、こちらの店では「天(あま)のミノ」というロマンチックな名前で呼ばれている。

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

宇賀: 美味しいですっ! 天のミノの脂がなんと上品なこと。タケノコもたまらないし、ツラミも深〜い味で最高! 赤星もう1本ください(笑)。

極上の肉を魂込めて焼くべし、焼くべし

ホルモンをひとしきり楽しんだところで、やはり驚きのコスパと呼び声も高い肉類へと移行する。こちらではなんと一枚から頼めるという。女将さんは「大きな店やったらむずかしいでしょうけど、お客さんみなさんに目が届く、こんなに小さい店ですからね」と明るくやさしい。

団長は上タン、ハラミ、そしてあっさりロース、を2枚ずつ頼んだ。

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

上タンの繊細かつパワフルな風味に悶絶。赤星にバッチリ合うが、同時にライスもモーレツに欲しくなった。思わず叫ぶ、「ご飯ください!」

平野さんが、「白いごはんもいいですけど、こちらも人気ですよ」とおすすめしてくれたのが「まきまきご飯」。一口サイズのご飯が韓国海苔に巻かれて行儀良く並んでいる。

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

宇賀: なんですかコレ。最高のやつじゃないですか! 食べる前から美味しいって分かります。

(ほどよく焼けたハラミをほおばり、すかさずまきまきご飯をIN)むふっ。シアワセすぎる。。

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

あっさりロースは、この日は希少な「ザブトン」と呼べるいいものが入ったそう。塩味の上タン、タレ味のハラミに続き、サブトンをポン酢でいただき、肉の〆とする。

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

肉の表面にほんのり汗がかいたところを見計らってひっくり返すと、コンロの鉄板によってきれいなストライプ模様ができている。裏面はさっと炙る程度で、さあいただこう。

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

宇賀: おいひぃ〜。脂が多すぎず、赤みの旨味が濃厚で。いくらでも食べられそう!

だけど、ここはガマン、ガマン。このお肉チームを食べ終わったら、しっかりアレもいただかなくちゃいけませんからね。

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

ここで団長は舌のリフレッシュのためにお酒を麦焼酎のレモンソーダ割りにスイッチ。

暖簾の文字を見た時から最後に必ず頼むと決めた〆に備える作戦に出た。

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

スープも麺も手作りの愛情冷麺を忘れずに

卓上の皿を平らげ、一息ついて迎撃体勢の団長の前に、ついに大トリのお出まし。そう、自家製冷麺だ。

牛骨、鶏ガラ、野菜を贅沢に使って取った出汁の澄み渡るスープにツヤッツヤの麺。この麺も、製麺機で自家製した生麺を使っている。

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

宇賀: 麺がモッチモチ。スープはコクがあるのにスッキリ爽やか。ホルモンとお肉をあんなにいただいたのに、スルスルいただけちゃう。ご主人とおかみさんの実直で穏やかな人柄が伝わってきます。

なんならこの後、初めのナムルからもう一度やり直せそうな気がするくらい(笑)。いや〜、ぜんぶ本当に美味しかったです!

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

そんな団長の声を聞いてうれしそうな平野さんと女将さん。宇賀団長の酒豪伝説を耳にしていたらしく、泡盛やとっておきのナチュラルワインも用意してくれていた。

「宇賀さんはいつもワインをひとりで3本飲まれると聞いてます。うちらですか? 酒好きそうに見えますか? うちらはふたりでワイン4本ってとこですね。師匠には敵いません」と平野さん。

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

宇賀: 今はそんなに飲みませんよ、嗜みというものを知るようになったので(笑)。赤星を楽しんでから、ワインを1本って感じですかね。でも今日みたいに美味しいお料理をいただくと、ついついお酒も進みますね。昔なら、あのナムルだけで赤星3本いってたかもしれません。

大阪には毎週来ているので、また必ず寄らせていただきます。その時は、一緒にとことん飲みましょう!

難波「肉ホルモン てつ腕」絶品ホルモン焼き×赤星の悦楽

――ごちそうさまでした!
(2022年12月16日取材)

撮影:峯 竜也
構成:渡辺 高
ヘア&メイク:あきやまひとみ
スタイリング:近藤和貴子
衣装協力:エポカ(コート¥132,000)
ストラ(ブラウス¥15,400)
アンスリード/マークスタイラー(ベスト¥30,800スカート¥46,200)
ヴァンドームブティック/ヴァンドームブティック 伊勢丹新宿店(イヤカフ¥15,400)
ドーターズジュエリー(左中指リング¥9,020左小指リング¥7,392)
銀座かねまつ/銀座かねまつ6丁目本店(ブーツ¥38,500)

 

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