昭和なアニキが語る定番服と赤星の名店「アニ散歩」
「ろばた 五代目 よだれ屋 渋谷」

<27本目>

渋カジで行きたい、DEEPな渋谷の雑居ビルで心安らぐ場所

やるせない熱帯夜が続く今年の夏。履き慣れたラルフ ローレンの白いショーツで、3度目の夏が過ぎていく。ラコステの長袖ポロシャツは、袖を少し捲ると、40代の落ち着いた短パンスタイルとなる。ネイビーと白の王道カラーで素足にダーティバックス。そう普通でいいのだ、普通で。

そんなラルフ ローレンを履いて、懐かしの渋カジとキレカジを思い出しながら渋谷へ向かった。

井の頭線渋谷駅マークシティの裏には、華やかな渋谷とは違う表情のDEEPゾーンが広がっている。

昭和な立ち飲み屋や大衆酒場を横目に、DEEPなオーラを放つ雑居ビルの中へ潜入。

薄暗い吹き抜けに差し込む日差しを、かすかに感じながら、迷わずさらに進む。

迷路のような階段の先にはパブスナックとピアノパブがあり、その間に発光する五代目にたどり着く。四代目までが、どこにあるかなんて気にしない。

ドアを開けると、そこには別世界の落ち着いた空間が広がっていた。

入り口で靴を脱ぎ、和テイストの日帰り温泉に来たような気分。

DEEPな雑居ビルの奥に、ひっそりと隠れている「ろばた 五代目 よだれ屋 渋谷」のカウンターで、1人「赤星」を注ぐことにした。

店長の三浦公平さんに、おすすめを聞き注文してみる。しかし若い。ヤングだ。なんと25歳だなんて。父親気分になってくる。

目の前で焼いてくれるのが嬉しい。焦らずじっくり待つのだ。

鳥のレバーを、炭火で炙る絶品までもうすぐ。

できた〜レバテキ!たっぷりなネギがかかり、もう我慢できん。よだれ屋だけに、こりゃあ〜よだれが出ちまう。

一口食べてみると、レバ気絶……テキ昇天!強烈に美味い。新鮮なレバーのちょい焼き加減が絶妙だ。

場所柄、渋谷のど真ん中ということもあり、若者の女性客も多い。今時のヤングな会話をつまみに飲むのも悪くない。

俺が20代の頃、渋谷は渋カジとキレカジで溢れていた。よく渋谷で飲んだものだ。あの頃のディスコは喋るDJがいたなあ〜なんて思い出しながら「赤星」を手酌していると……。

「アニキ、注がせてください」と店長の三浦公平さん。嬉しすぎる!っていうかアニキというより年齢差24歳で完全に気分はオヤジというか、父親だ。「立派に仕事してるなあ〜公平」とついつい父親スイッチが入り、親子モードに。

鮭のハラスが焼かれるのを眺めながら、ふと考える。

今時の若者は……なんてよくいうが俺が25歳の頃、公平みたいに、礼儀正しく振舞っていただろうか?

なんて、渋谷の若者に感心しながら、ハラスをいただく。

強烈に美味すぎる!脂が乗っていて炭火で焼かれたパリパリの皮も「赤星」によく合う。

〆は裏メニューの裏ドーン!ってことでウニイクラ丼だ。

幸せだ〜最高すぎる!口の中に広がるウニとイクラでオヤジ気絶……息子成長!しばらく会ってない間に立派に育ちやがって、息子の作る料理は世界一だなんて、勝手な親子妄想が止まらない。

息子の公平、いやいや妄想気絶から目を覚まそう。店長の三浦公平さんは20歳の時に、故郷の秋田を離れ、美容師を目指し上京して来た。大東京で紆余曲折あり、今はこうして立派な店長になっている。

自分が20代の頃、よく飲んだ渋谷で、「赤星」を探していたら出会えた若者は、今宵も一生懸命に店を切り盛りしているだろう。

若者で溢れる夜の渋谷を歩きながら、俺は思った。いつか息子が20歳になったら一緒に飲みたいものだと。

ラルフ ローレンの白いショーツ。短パンでありながらどこかしらエレガントな気分にさせてくれる夏に欠かせない魔法の1本。トップスをロングスリーブにすることで大人の短パンスタイルが出来上がる。

Text:Eiji Katano
Photo:Shinpei Suzuki

店舗情報

「ろばた 五代目 よだれ屋 渋谷」

[住所] 京都渋谷区道玄坂1-11-1 第2大番ビル 104

[TEL] 050-5570-4671

[URL] https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13021997/

[営業時間]

営業時間 18:00〜26:00
定休日 無休

【プロフィール】

プロフィール
片野英児(かたのえいじ)
1968年生まれ。昭和とメンズ服飾を愛してやまない48歳。小誌編集長の干場(ほしば)がアニキと呼んだことから、いつしかアダ名がアニキに。趣味は、スナックで昭和カラオケ。呑みすぎると、歌いながら、なぜか干場と泣き合う熱き男。好きな場所は軍艦島。

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