昭和なアニキが語る定番服と赤星の名店「アニ散歩」
長平

公開日:2018/04/17 <36本目>

武蔵小山呑みで最後にたどり着く名酒場とは?

暖かくなると毎年必ず羽織る愛すべきジャンパーがある。それは、あえて昭和なジャンパーと呼びたい名品、バラクータのG9だ。スティーブ・マックイーンをはじめ、高倉健、松田優作が着こなしている映画を見て、憧れ続けたこいつ。英国製のヴィンテージもので、ネイビーの他、数色愛用している。G9の襟を立て、俺のホームとも言える武蔵小山へ向かった。

ガキの頃から、よく通っていた商店街は健在だが、再開発により昭和な路地裏は消滅してしまった。

このエリアにはタワーマンションが建設されている。古き良き街が生まれ変わるのも時代なのだろう。

ここ「武蔵小山飲食店街りゅえる」には、かつて多くの酒場が連なっていた。ちょうどこの場所にあったムサコの名酒場「長平」は、いつも満席で結局一度も入ることができず、再開発により幕を閉じてしまった。しかし数ヶ月後に「長平」は移転復活したと酒場で知り合ったムサコ大先輩から聞き、新店舗まで散歩することに。

ムサコで呑む前に、立ち寄りたいのが銭湯の「清水湯」だ。

至福の一杯の前に、露天風呂とサウナで、ととのえる。

最高すぎたサウナ&水風呂の3セット。風呂上がりでもG9の襟を立て、裏地のチェックをちょい見せすることを忘れてはいけない。

足元は素足にビンテージのホワイトバックスで、駅の反対側に移転した「長平」を目指す。

旧店舗から、進化した店内が広すぎてびっくり。15:00の営業開始直後なので、まだテーブル席には誰もいないようだ。

まあ平日だしと、隣のカウンター席に目をやると、もしや?  この背中と横顔は、俺がリスペクトするムサコ大先輩ではないか?しかしムサコで偶然会うのはこれで何度目だろうか。

軽く挨拶を済ませ、まずは至福の一杯を注ぐ。

たまらん。ああたまらん。馴染みのムサコで呑む格別の喉越しだ。

「長平」の名物は、何と言ってもこのバリエーションから三つチョイスできる、おつまみ3点盛りとお刺身の長平盛りだ。ちなみに他の料理も気絶級に全部ウマいらしい。

迷わず決めたと言いたいところだが、全部美味そうなので、悩みまくり決めた渾身の三品は砂肝味噌炒め、ポテトサラダ、牛タタキサラダだ。

強烈にウマい!どれもクオリティが高すぎる。これだけ種類があれば毎日通い酒できちゃうぞ。

ドーン!美しすぎる長平盛りを眺める。ここはムサコ漁港なのか?

SASHIMI気絶・・・・・・ムサコ昇天!マジでヤバい。信じられない鮮度の高さで銭湯上がりの俺は、まるで温泉ロケで地方の漁港にでも来ている気分。

かなりのボリュームなので、カウンターにいたムサコ大先輩も一緒に呑んでつまむことに。

乾杯!っていうか、俺と同じバラクータG9を着ていることが衝撃すぎるミラクル。ムサコ大先輩とは大衆酒場好きには有名な小西康隆さん。ここムサコで出会い、本物の酒場を教えていただいた大先輩なのだ。ちなみに「赤星を語る会」のメンバーでもある。

撮影を忘れ、いつものムサコモードで話が止まらない。会話の内容が濃すぎて記事にできないのが残念だが、本音酒場トークとはそんなものだろう。

小西さんと長い付き合いのオーナーのミツルさんこと川上充さんも加わりリアルなアニ散歩モードが楽しすぎる。

カウンター横のプチ外呑み気分が味わえる開放的な立ち飲みコーナーに移動。小西さんに注いでいただいた「赤星」が格別の味だったので、注ぎ愛でお返しさせていただく。

このまま一緒に呑み続けると、取材脱線はしご酒になりそうなので、テーブル席に戻ると、常連達に「あーちゃん」と呼ばれ愛されるアルバイトの女性が、今度は注いでくれた。

うわっ!小西さんよりこっちの方がいいかも。なんか優しい「赤星」に感じるのは気のせいか。

なんか心がほっこりしたところでラストは牛すじチャーハンで〆ることに。これ間違いなくヤバいやつでしょ。

牛すじ炸裂!チャー気絶!強烈にウマすぎるぞ。

ミツルさんは、今やムサコドリームと言われる晩杯屋がムサコにしかなかった2010年に、そこで店長をしていた。いつか自分の店が持ちたいと2014年に独立し「長平」を開店させた。再開発によりわずか3年半で旧店舗は閉店となったが、多くの常連達に応えるべく2017年に移転復活となったのだ。

自分の尊敬する大先輩が「赤星」を好きだったので開店以来ずっと扱っているとのこと。大切なのは常連さんを裏切っちゃいけないことだと。移転しても常連達に愛され続ける「長平」には、今宵も多くのムサコ呑兵衛が、はしご酒の最後にたどり着いていることだろう。

バラクータG9のビンテージ。英国製で日本ではスウィングトップと呼ばれる名品。多くのアパレルブランドのデザインソースとなっているオリジナルの老舗ブランドがこれ。やや明るめのネイビーは定番色のベージュとは別物なので、一枚は持っていただきたい永遠の定番。

Text:Eiji Katano
Photo:Shinpei Suzuki

店舗情報

長平

[住所] 東京都目黒区目黒本町3-4-10 1F

[TEL] 03-6759-1181

[URL] https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131710/13211782/

[営業時間]

15:00〜24:00
定休日 無休

【プロフィール】

片野英児(かたのえいじ)
1968年生まれ。昭和とメンズ服飾を愛してやまない49歳。FORZA STYLE編集長の干場(ほしば)がアニキと呼んだことから、いつしかアダ名がアニキに。趣味は、スナックで昭和カラオケ。呑みすぎると、歌いながら、なぜか干場と泣き合う熱き男。好きな場所は軍艦島。

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新宿「思い出横丁」には、素通りできない名店がある

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梅田「銀座屋」カオスな地下街に潜む赤星の“聖地”

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お大師様の裏手で唸る、絶品水炊きチャンコ鍋

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上板橋の下町的な雰囲気に、杯と箸が止まらない

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赤羽「立ち飲み いこい」せんべろの洗礼

あのお店はなぜ時代を超えて愛されるの? お客さんが笑顔で出てくるのは・・・

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佐島に揚がる旬の魚介に、野毛再訪を決意した夜

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浅草「飯田屋」で36歳の“どぜうデビュー”

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最後は自分で……混ぜて完成させるポテサラ

酒のつまみは数あれど、とりわけポテトサラダをこよなく愛すマッキー牧・・・

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猛暑の昼下がり、「魅惑の地下街」でひと休み

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中野「らんまん」旬の肴で春を愛でた夜

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File No.21

  
「大井町」は呑兵衛の期待を裏切らない。

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File No.20

  
蕎麦前から締めまで、流れる時間に、文句なし。

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東京の東の果てに、もつ焼きの名店がある。

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File No.6

  
神田まつや、江戸前の老舗で愉しむ“蕎麦前”の味

なぜアノお店は時代を超えて愛されるの? お客さんが笑顔で出てくるのは・・・

ポテサラ酒場

File No.8

  
白と赤のコントラストが美しい異色のポテサラ

酒のつまみは数あれど、とりわけポテトサラダをこよなく愛すマッキー牧・・・

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File No.18

  
競輪で惨敗しても、大宮にはこの店がある。

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File No.17

  
私が新宿の名酒場を遠巻きにしてきたワケ

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File No.7

  
ジャガイモとサツマイモを使った“二刀流”ポテサラ

酒のつまみは数あれど、とりわけポテトサラダをこよなく愛すマッキー牧・・・

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幡ヶ谷のクジラに時のうつろいを思う夜

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京浜東北線には、素通りできない駅がある。

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下町エリアのやきとんは、ココを抜きには語れない

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File No.6

  
「育ちのいいラッパー」がいる一家団欒ポテサラ

酒のつまみは数あれど、とりわけポテトサラダをこよなく愛すマッキー牧・・・

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東京の東側、錦糸町には“ヤバい”店が潜んでいる

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新橋は烏森口、こんな店を知らずに来たなんて…

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いもに秘密あり!インスタジェニックなポテサラ

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田端駅北口、驚異の「魚河岸料理」に痺れた夜

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自由が丘「金田」で今宵、“酒学校”の生徒になる

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浅草六区、往時の賑わいを物語る“IRIBUTA”の味

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浅草・観音裏のカウンターで感動的な「雪辱戦」

ポテサラ酒場

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パクチーとナンプラー香るオリエンタルなポテサラ

酒のつまみは数あれど、とりわけポテトサラダをこよなく愛すマッキー牧・・・

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File No.4

  
浅草「大多福」出汁の香りに包まれる”口福”な時間

なぜアノ居酒屋は時代を超えて愛されるの? お客さんが笑顔で出てくるの・・・

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「大人の街」赤坂で思い出す、あの頃の匂い

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料亭街の「大衆酒場」で店主の心意気に降参寸前

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森下「山利喜」は和洋ハイブリットの煮込みで決まり

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File No.2

  
親父の「旨い!」がヒントになった名物ポテサラ

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神田の老舗、これぞ由緒正しき「東京酒場」

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赤羽「まるます家」は朝から“晩酌”ほろ酔い天国

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京王線中河原「ご近所酒場」はまだ宵の口

自宅の近くに行きつけの酒場をもつのは、飲兵衛にとってはとても大事な・・・

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新宿「思い出横丁」で噛みしめるコブクロの味

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コクが際立つ絶妙の味付け 渋谷「松濤はろう」

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路地に吹く夕風は「煮込み」の薫りを纏っていた

瓶ビールをよく飲むし、私の行く店には昔ながらのラガービールが置いて・・・

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吉祥寺「いせや」では煙までもが“アテ”になる

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やきとん界「西の横綱」は今日も進化が止まらない

この店のビールはなぜ「赤星」なのか・・・。ある日、なじみの飲み屋で・・・

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