私たち「赤星探偵団」が、
あしで稼いだ“おいしい情報”を発信します

赤星が飲めるお店を探す 赤星が飲めるお店を探す
ブクマーク一覧へ

アニ散歩 File No.1

ストライプのグレースーツと「藤八」の自家製腸詰め

「大衆割烹 藤八」

公開日:

今回取材に訪れたお店

大衆割烹 藤八

ブックマークする

ビシッと横分けのヘアで着こなしたいのはグレースーツ。クラシックなスーツは、なぜか落ち着く。控え目なストライプに白シャツでネイビータイ、靴は黒のストレートチップ。スーツスタイルの日本男児を撮り下ろした『JAPANESE DANDY』を気取り、お気に入りの昭和酒場へ。 もう10年以上通っている中目黒の名店「藤八」。暖簾をくぐると、そこには昭和な時がゆっくりと流れている。

ストライプのグレースーツと「藤八」の自家製腸詰め

壁一面に張られた達筆な短冊メニューが、完全に昭和アート! 良く見ると経年変化で変色しているヴィンテージと新しいものがあるではないか。あまりに多いので迷ってしまうが、俺はブレずいつものビールと4品を注文。

ストライプのグレースーツと「藤八」の自家製腸詰め

必ず飲むのがこの「赤星」だ。正式名称は「サッポロ ラガービール」といって、ラベルのデザインから通称「赤星」と呼ばれ、昭和酒場好きに絶大に支持されている。詳しいウンチクは後にして、まずは手酌で一杯。

ストライプのグレースーツと「藤八」の自家製腸詰め

美味すぎる……。生のジョッキも悪くないが、やはり瓶ビールをコップに注いで飲むのが俺流だ。

ストライプのグレースーツと「藤八」の自家製腸詰め

ここで「藤八」の女将こと洋子さん登場。多くの常連達に愛された先代の赤い眼鏡で有名な女将は、昨年引退して今は洋子さんが女将としてお店に立っている。

ストライプのグレースーツと「藤八」の自家製腸詰め

まずは自家製の腸詰め。ネギと辛味噌で一緒に食べると……。まじで美味すぎる!!こやつには昭和までもが詰まっているに違いない。「赤星」との相性もバツグンだ。

ストライプのグレースーツと「藤八」の自家製腸詰め

続いて自家製のはんぺん。ただのはんぺんと侮ってはいけない。絶妙な味がついているので、何もかけずそのまま食す。美味すぎる!!パート2だ。

ストライプのグレースーツと「藤八」の自家製腸詰め

さらに肉じゃがコロッケといかのかき揚げ。肉じゃが味なので何もかけずにそのまま食す。サクサクのかき揚げで、これまた「赤星」がすすむ。美味すぎる!!パート3&4だ。

この4品は1977年の創業当時からあり「藤八4大名物」と呼ばれている。他にもお刺身など大衆割烹と名乗っているだけあってハイレベルな絶品メニューばかりだ。

ストライプのグレースーツと「藤八」の自家製腸詰め

ほろ酔いになってきたとこで、洋子さんについつい一杯注いでしまった。瓶ビールの良さはこういった注ぐコミュニケーションもあるところ。

ストライプのグレースーツと「藤八」の自家製腸詰め

ここで、俺が愛する「赤星」の話をちょこっと……。簡単に言うと現存する日本最古のビールブランドなのだ。サッポロビールの前進・開拓史麦酒醸造所から1877年に発売され今も愛され続けている。ちなみに生ビールではない。
生ビールとはザックリ言うと瓶、缶、ジョッキを問わず非熱処理されたビールのことを言うのだ。「赤星」は熱処理されたビールなので、昔ながらの製法で作られた、正に俺が好きなクラシックスタイルということ。もちろん生も美味しいが俺はこんな昔ながらのビールを昭和酒場で飲みたいのだ。

CDのジャケ買いのように、ラベル飲み気分。テーブルに「赤星」の瓶があるだけで落ち着く。ラベルをよく見ると細かいデザインでグリーンを使っていたり、そのディテールのこだわりも素晴らしい。

ストライプのグレースーツと「藤八」の自家製腸詰め

さて〆にいつも食べるのが、この「のりうどん」。さっぱりしながらしっかりと出汁のきいた関西風のつゆが優しくて美味すぎる!!ファイナルだ。

ストライプのグレースーツと「藤八」の自家製腸詰め

いつも笑顔で癒してくれる洋子女将。先代の女将から引き継がれた心地よい酒場は今も健在だ。シャレオツな中目黒で、ここだけは今も変わらずホッとさせてくれる。さて次はどこで「赤星」を飲むかな。散歩は続く……。

ストライプのグレースーツと「藤八」の自家製腸詰め

ユナイテッドアローズ/ザ ソブリンハウスのスーツ。3つボタン段返り、サイドベンツのいつものディテール。モヘア混のウール生地は絶妙な光沢があり、サラッとした手触りもこの季節に合う。

ストライプのグレースーツと「藤八」の自家製腸詰め

Text:Eiji Katano
Photo:Mitsutoshi Watanabe

この記事シェアする