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アニ散歩 File No.49

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

「鳥鳥(とりちょう)」

公開日:

今回取材に訪れたお店

鳥鳥(とりちょう)

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ハマ風が心地よい野毛で偶然「赤星」の看板を見つけたことがあった。その時はなぜか気が進まなかったが、ふと思い出し再びィヨコハマへ。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

都橋商店街のネオンはまだ灯されていない。夕暮れ前の静けさもまたグッとくるもの。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

この川は、なぜかせつない色をしている。再開発が進むこの港街で、この景色を眺めていると自然と横浜ホンキートンクブルースを口ずさんでしまう。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

そんなセンチメンタルな俺が、羽織っているのはバラクータG9だ。気分は野毛のぴおシティとかで昭和なジャンパーを着こなし立ち飲みしているダンディなオヤジってとこだ。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

ベージュ野郎の足元はチーニーのケンゴン。履き慣らし馴染んできた相棒とは長い付き合いになりそうだ。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

戦後の闇市から発展した野毛には飲兵衛にはたまらないグルーヴが今もビシビシと感じられるが、時代の流れと共に新しい店が増え、今は若者や女性客が多い。そんな野毛で俺は心休まる古き良き酒場を目指す。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

強烈な黄色い中華の横に、ポツンと佇む酒場だ。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

俺があの時見つけた看板は今も変わらない。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

カウンターにテーブルがふたつ。こぢんまりとした理想的な酒場だ。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

夕暮れ時にィヨコハマで俺が俺らしく俺を取り戻していく。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

まずはエシャレットで、このゆっくりと流れる時を楽しむ。こいつがなんともシャキシャキでウマイイネ。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

男前な千屋さんに話を聞いてみる。43年前に父親が創業した「鳥鳥」を今は夫婦で引き継ぎ、週末など時々父親も焼き場に立つらしい。もちろんリアルなハマっ子だ。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

オムレツのようにフワフワなニラ玉をつまみながら焼き鳥を注文。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

創業時の暖簾に昭和が染み込んでいる。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

東京生まれの俺にとってハマっ子の話はたまらない。ググっても知ることのできないィヨコハマオールドストーリーにルービーがすすむ。俺は学生の頃、伊勢崎モールで見かけたメリーさんを思い出した。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

皮と砂肝を塩でいただく。強烈にウマい!野毛気絶・・ウマイーネ!丁寧な仕事っぷりと千屋さんの人柄を感じる。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

外の通りでは週末という事もあり多くの若者や女性で賑わってきた。しかしここだけは昭和な野毛のままだ。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

鳥ネギとつくねをタレで。塩もタレも鳥と鳥がウマすぎる!ちなみに店名の「鳥鳥」は、とりちょうと読む。店名に深い意味はないらしい。それでいいのだ。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

ここからは豚だ。レバタレ、トマト巻き塩、カシラ塩、豚バラ塩のアニセレクト。豚もウマイイネ!味はもちろんこのサイズ感が俺好みだ。ひとり飲みには、こんなジャストサイズが嬉しい。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

時代に合わせて進化する野毛を否定はしない。楽しく飲めればそれでいいとも思う。しかし「鳥鳥」のように落ち着けるいい意味での時代おくれの酒場は少ない。そんな思いにふけっていると千屋さんの父親がお店に現れた。軽くご挨拶させていただいただけだが、イメージした通りの古き良きィヨコハマの男というオーラを発しまくっていた。俺は瞬間リスペクトで2本目の「赤星」を流し込む。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

手作りのポップコーンをつまみながら、酔い時がゆっくりと流れていく。楽しく大勢で飲む酒もいいが、やはりひとり飲みが俺には合っているらしい。そして野毛には心まで酔わしてくれる優しいバイブスがあると。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

千屋さん夫妻の優しい心配りにグッときた。ごちそうさまでした。ここは野毛だ。サクッと一軒飲みで帰れるわけがない。さてと、もう少しだけハマ風に吹かれてブラブラしてみるかな。

野毛の古き良き酒場で気絶した鳥と鳥とは?

バラクータのG9は英国製のビンテージ。サラッと羽織るだけで男くさい雰囲気が出る昭和なジャンパーとも言える。季節の変わり目には欠かせない永遠のスタンダード。チラッと見える裏生地のチェックと立てた襟がクラシックでありながらいつの時代も古さを感じさせない。

Text:Eiji Katano
Photo:Shimpei Suzuki

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