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団長が行く File No.48

六本木「食堂弐番」局アナ時代から通うワタシ的最強“深夜食堂”へようこそ

「食堂弐番」

公開日:

あのお店はなぜ時代を超えて愛されるの? お客さんがみんな笑顔で出てくるのはどうして? 赤星探偵団の5代目団長・宇賀なつみさんが、名店の暖簾をくぐり、左党たちを惹きつけてやまない「秘密」を探ります――。 (※撮影時以外はマスクを着用の上、感染症対策を実施しております)

入口のわかりづらさは最難関クラス

 

六本木ヒルズや高級ホテルのグランドハイアットなどがほど近く、ラグジュアリーな雰囲気漂う西麻布3丁目。その片隅に宇賀なつみ団長の行きつけの店があるという。

それは「食堂弐番」という和食店。マンションや雑居ビルなどにぐるりと囲まれた場所にひっそりと佇む。入口は極めてわかりづらく、この先に飲食店なぞあるはずはないという、よその敷地っぽいところを通って進む必要がある。初めて訪ねる10人のうち9人は、ちょっとウロウロしてしまうだろう。逆に知っていると、それだけでなんだか誇らしい気分になる店だ。

六本木「食堂弐番」局アナ時代から通うワタシ的最強“深夜食堂”へようこそ

最近はあまり見かけなくなった年代物のガラスの引き戸をガラリと開けると、そこはタイムスリップしたかのような昭和空間。向田邦子のテレビドラマの舞台になりそうな、古き良き時代のお家だ。築70年近い建物だという。

宇賀団長は1階のカウンター席へと進む。BGMは80年代、90年代の日本のポップスが中心だ。

六本木「食堂弐番」局アナ時代から通うワタシ的最強“深夜食堂”へようこそ

宇賀: こんなお部屋があったんですね。テレビ朝日の局アナ時代から何度もおじゃましているけど、いつも2階の個室ばかりだったから、こちらは初めて。黒板にメニューがびっちり書いてあって、なんとも味のある空間ですね。

さあ、早速、サッポロラガービール、通称“赤星”で乾いた喉を潤そう。

――いただきます!

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宇賀: くーー、今日も美味しい!

以前はいつもヱビスの生ビールをいただいていたんですけど、ある時、ご主人が赤星の前掛けをしているのを見て、「あ、ここ、赤星あるんだ!」と気づいて。こんなに通っていたのに、団長としてうっかりしていました。

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赤星の初めのお供は、いつも決まって頼むという自家製のごま豆腐。

宇賀: やっぱりこれは外せないな。いつもながら、おいしぃ。なめらかで、ごまのいい香り。

聞けば、牛乳を使っているそうで、独特のシルキーな舌触りとミルキーな味わいが心地いい。

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「次はお刺身をいただこうかしら、カンパチ、地だこ、真鯛……う〜ん悩ましい」と迷っていると、「クジラ好き? 今日は最高のクジラが入ったよ。トロクジラの刺身」と店主の黒澤裕樹さん。

団長も「クジラ食べたい! クジラのお刺身は食べたことない!」と二つ返事で、刺身問題は速やかに解決した。

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やってきたのは、厚切りのミンククジラ。ツヤッツヤだ。

宇賀: (一切れをほおばって)わー! めちゃくちゃ美味しい!! なんですかこれ? 本マグロのような上品な味わいだけど、お肉のような雰囲気もあって、初めての味……美味しすぎる。

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深夜でも白いごはんを食べられる店

 

宇賀団長が勤めていたテレビ朝日は目と鼻の先。新型コロナが流行る前は朝5時まで営業していたそうで、何度となく、深夜、こちらにお世話になったと団長は話す。

六本木「食堂弐番」局アナ時代から通うワタシ的最強“深夜食堂”へようこそ

宇賀: 入社初日に配属されたのが「報道ステーション」だったんですけど、番組が終わって反省会をして会社を出て、さあごはん食べようってなるのが、日付が変わった頃という生活が長く続いて。

この界隈は、飲むのにいいお店はたくさんあるけど、深夜にちゃんとしたごはんをいただけるところ、特に和食屋さんは案外少なくって。バーのカレーライスやカツサンドも、そんなに頻繁には食べたくないし、かといって一日の締めくくりがチェーン店では味気ないし……。

そんな中で、こちらのお店は、どんな時でも食べたいものが必ずあるという心強い存在でした。お酒も充実しているから、しっかりごはんのつもりがいつしか「飲み」になって、結局朝まで、なんてことも多かったんですけどね(笑)。

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「ドラマにもなったけど、漫画の『深夜食堂』をイメージしたところはあったね」と黒澤さん。

「夜中でも、白いごはんを食べたい人はいるよね。自分もそう思うことが多かったし。いろんなおかずがあって、深夜でもちゃんとごはんを食べられて、酒も楽しめる店にしたいと思ってね。

コロナの影響で、この辺りでも深夜まで飲み歩くような人はめっきり少なくなって、仕方なく11時までの営業に変えちゃったんだけど、今でもテレ朝関連の方にはよく利用してもらってるよ。2階の部屋なんて、一部じゃ“テレ朝会議室”って呼ばれてるくらい」

六本木「食堂弐番」局アナ時代から通うワタシ的最強“深夜食堂”へようこそ

宇賀: ハハハハハ! 私も当時はそんな感覚でした。大変お世話になりました。

名物の一つであるカニクリームコロッケがやってきたのと同時に、赤星から日本酒に切り替える。日本酒は、黒澤さんの故郷、秋田県の地酒を取り揃えている。熱々のカニクリームコロッケに冷酒とは、なんとも達人的な飲み方だ。

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宇賀: このカニクリームコロッケ、穏やかでやさしいお味で。そしてカニ感がすんごいです。美味しいなあ。

黒澤さんにお酌をしていただきつつ、話題はお店を開くまでの経緯へ。

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大学で本格的に野球をやりたかった黒澤さんは、1浪の末に、名門の体育会野球部を擁する東洋大学に合格。しかし、当時日本一だった同大学野球部は全国からのツワモノ揃いで、黒澤さんはセレクションで落ちてしまう。そんな黒澤さんの意識は、次第に海外へ移っていったという。

「漠然と、将来は“海外”、そして“社長”というのがあってね。飲食業界はその近道だと考えたんですよ。大学卒業後は、日本料理の店で5年修業しました。その5年間は寝た記憶がないくらい、人の何倍も働きましたよ。まわりは自分よりずっと若い時から修業してきている人ばかりだし、早く仕事を覚えて、誰にも負けないようにしなきゃと必死でしたね。

その後、晴れてアメリカのシアトルで働くことができたんだけど、憧れていたアメリカ暮らしが思ったほどには楽しくはなくてね。もっと日本で腕を磨きたいと思うようになったのと、料理はできるようになったけど、経営のことを何も知らないままじゃ社長にはなれないなと考えて。それで、西麻布で30年くらいやっていた鉄板焼きの店に入ったんです。そこで料理をしながら、経営の見習いもさせてもらいました」

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古民家をDIYしながら営業開始

 

焼き台から香ばしい匂いが漂ってきた。銀ダラ西京焼がもうすぐ焼き上がりそうだ。

黒澤さんの話は続く。

「西麻布の店の主人はそりゃ厳しい人でしたね。従業員には鬼、でもお客さんには天使のような人でね。小さな個室トイレを毎日2時間かけて掃除しましたよ。今の時代はそういうの流行らないと思うけど、そこで飲食店の経営について徹底的に学ぶことができました」

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宇賀: 今、私はフリーランスで、仕事を受けるのも会計も全部自分ひとりでやっているんですけど、それって働くのが楽しいからなんです。テレ朝時代も楽しかったですね。深夜に仕事が終わっても、朝からの取材や他の番組も自分から手を挙げてどんどん引き受けたんです。人の2倍働けるなら、2倍の経験ができると思って。

今はガンガン働きたい人が存分に働きにくい時代になってしまったという面もありますけど、人生の中で、それも若い時期に思いっきり仕事に打ち込む経験はとても大切で、かけがえのない宝物になると思います。

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銀ダラ西京焼が焼きあがった。独自ブレンドの味噌ダレに1週間漬け込むという大ぶりの銀ダラはふっくらプリプリ。「最強焼」と当て字したいくらいだ。

宇賀: 美味しいっ! すみません、今まで銀ダラを見くびっていました。謝ります。これは、銀ダラでなければいけないし、西京焼でなければいけない味。わたし、何言ってるんだろう(笑)。

白いごはんが欲しくなる! 日本酒にも合う! そして、ペロリといけちゃう!

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黒澤さんは西麻布の店で経営を学んだあと、青山の和食店の料理長になった。その時期にこの建物を借りないかと紹介されたという。

「民家として使われていた建物だったんだけど、いろんなところが歪んでいるし、店にするにはこりゃ一大事になるなと。でも使い方次第ではおもしろい空間にできるかも、と思ってね。もともと大工仕事も好きだったから、とりあえず借りて、住みながら友達とDIYでリフォームしていったんです。

壁をぶち抜いて、天井を剥がして、床を下げてと、いくらやってもキリがないから、修理を始めて3ヵ月経ったところで、知り合いだけを相手に店をオープンした。わかりづらいのは、そもそもわかるようにしないまま営業してきちゃったからだね。仮オープンのまま17年やってきてる感じ(笑)」

六本木「食堂弐番」局アナ時代から通うワタシ的最強“深夜食堂”へようこそ

宇賀: なんて豪快な(笑)。この味のある空間は、黒澤さんの手作りだったんですね。初めて知りました。

ところで、「食堂弐番」という店名はどこから?

「みんなの2番でありたいと思って。誰にでも1番大切な人、場所はあるよね。奥さんだったり、家族だったり、実家だったり。その次にくつろげる場所になれたらいいなと。なかには、家に居場所がなくて、ここが一番いいという人もいるけどね」と黒澤さんは笑う。

六本木「食堂弐番」局アナ時代から通うワタシ的最強“深夜食堂”へようこそ

サッポロのことは絶対に裏切らない

 

〆はおにぎりにすべきか、ごはんと味噌汁にすべきか、はたまた稲庭うどんという手もあるかと悩む宇賀団長。スタッフの唐沢玲子さんに相談すると、「横手焼そばも美味しいですよ」とのこと。

よし、今日はそれでいこう!

六本木「食堂弐番」局アナ時代から通うワタシ的最強“深夜食堂”へようこそ

横手焼そばは、黒澤さんの地元、秋田県横手市が誇るB級グルメ。茹でたストレート麺を使い、出汁入りのウスターソースで味付けするのが特徴だ。目玉焼きと福神漬けのトッピングが定番で、玉子の黄身を絡めながらいただくのが横手流である。

宇賀: んんーー、これ好き。具はひき肉とキャベツ。シンプルだけど、やさしいソースの味が麺によくなじんでいて、なんだかホッとします。

これはビールがまた欲しくなっちゃうなあ。赤星に戻ろうかしら(笑)。

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宇賀: そういえば、黒澤さん、こちらはどうして赤星とヱビスなんですか?

「初めて店をオープンしようという時、生ビールのサーバーを導入するのって案外むずかしいんですよ。信用がないから相手にしてもらえなくてね。でも、うちはサッポロの営業マンががんばって入れてくれた。本当によくしてもらったんだ。感謝しきれないくらい。オレは恩義には必ず応える。絶対に裏切らない。だからこれらからもサッポロだよ、ずっと」

宇賀: いいなあ、そういう人と人との厚い関係性。今のご主人の話を聞いたら、じゃあ、〆の〆に赤星をもう1本いただくしかないですね(笑)。

六本木「食堂弐番」局アナ時代から通うワタシ的最強“深夜食堂”へようこそ

――ごちそうさまでした!

(2022年11月23日取材)

撮影:峯 竜也
構成:渡辺 高
ヘア&メイク:ATELIER KAUNALOA
スタイリング:近藤和貴子
衣装協力:ルーニィ(コート¥48,400)
セルフォード/セルフォード ルミネ新宿1店(トップス¥20,900)
ココディール(パンツ¥10,450)
ヴァンドームブティック/ヴァンドームブティック 伊勢丹新宿店(イヤリング¥14,300)
ジュエッテ(リング¥8,800)
ダイアナ/ダイアナ 銀座本店(ブーツ¥30,800)

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