昭和なアニキが語る定番服と赤星の名店「アニ散歩」
磯野家

<11本目>

黒いカシミアのタートルと「磯野家」のカキフライ&かきめし

タートルネックには、昭和な俳優のイメージがある。いつかは着こなしたいと思い、ガキの頃から憧れていた。今回はカシミアの黒をグレンチェックのスーツに合わせスーツをドレスダウン。インナーをニットにするだけでダンディっぽく見せてくれる魔法の一枚なのだ。首回りを包んでくれるカシミアは、1度着るとやみつきになってしまう。

スーツのドレスダウンスタイルで向かったのは、今何かと話題の築地市場。来年には移転予定らしいので、すでに消滅決定の昭和遺産だ。場外をブラブラし勝どき門から場内へ入る。

場外も活気があり楽しいがやはり、このターレーが走りまくる場内の雰囲気が俺は好きだ。

門を入ってすぐの魚がし横丁の1号館。時間はすでに午後なので、ほとんどの店は営業していない。場内を楽しむのなら早朝からお昼までだが、俺の目的はこの先にある。

さらに奥に進むと早朝から行列のできる超有名店が並ぶ魚がし横丁の6号館。閑散とした静けさのせいか、改めて来年移転してしまうのかと想いにふける。

俺が行きたかったのはここだ。勝どき門から入るとかなり奥地で10号館にある「磯野家」だ。観光客が少ない場内の秘境とも言える。

場内で働く方のリアルな食堂なので、そのメニューは和食、中華、洋食と恐るべし多さだ。

2階の食堂へと昭和の階段を一歩ずつ上る。

昭和が染みついた店内で、まずは赤星を注文。昼過ぎ15:00のルービーが美味すぎる。

移転前にどうしてもここで食べたかったのが、カキフライとかきめし。冬限定の知る人ぞ知る絶品メニューだ。ちなみに中華と洋食もかなり美味い。

キター!!でかい!でかすぎるカキフライ!さすが場内の秘境だ。

俺とカキフライのランデブーがはじまる。

なんでこんなに美味いのだろう!!このカキフライ。マジで今までの人生で食べたカキフライの中でNo.1かも。濃厚で強烈なウマミで気絶!(©干場義雅)

デター~かきめし!!でかすぎるプリップリのかき3個がのっかってるぞ~もう興奮マックス。

このままずっと見つめていたいが、今すぐ食べたい俺のかきめし!!

俺はあまりの美味さにフルえた。出汁とカキで炊き込まれたご飯も美味すぎる!!

うわっ!!ご飯の下からも、かきがでてきた!!何度でも言うがマジで美味すぎるぞ「磯野家」!!完全にノックアウト。

さらに、かきめしに付くあさりの味噌汁も強烈に美味すぎる!!

寒い冬に俺の心をあたためてくれる一杯……。

あまりの美味さで興奮しすぎたが、ふと思う。この昭和が染みついたテーブルと椅子が移転で消滅してしまうなんて。

食堂は16:00までの営業だが、奥の座敷は夜のみ特別メニューの宴会コースで予約可能だ。1階でお寿司屋も営業しているので味は間違いない。

俺は店を出て夕方の場内を散歩した。人もまばらで午前中とは違い活気はない。その静けさが移転決定のさびしさを感じさせる。老朽化した場内市場を現状維持することは難しい。もしすでに移転していたら今日の日はなかっただろう。

「磯野家」は豊洲移転後も新店舗で営業予定だが、その前に築地場内で働く男が愛したリアル食堂を訪れて欲しい。完全に観光地化していない場内の秘境にこそリアル昭和があるからだ。そして昭和を支え続けたこの81年間を「お疲れ様」と赤星で乾杯していただきたい。

黒いカシミアのタートルネックニット。首回りが肌に触れるので素材はカシミアをチョイス。インポートブランドやラグジュアリーブランドの極上モノもいいが、デイリーに気軽な気持ちで着ることができるのは、このユナイテッドアローズのオリジナル。もう何年も愛用していて、さすが日本のセレクトショップと言うべきコスパとクオリティの高さを実感できる一枚。

Text:Eiji Katano
Photo:Kou Maizawa

店舗情報

磯野家

[住所] 東京都中央区築地5-2-1 築地市場

[TEL] 03-3542-1954

[URL] https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131301/13014821/

[営業時間]

営業時間 7:00~16:00

定休日 日・祝・休市日

【プロフィール】

片野英児(かたのえいじ)

1968年生まれ。昭和とメンズ服飾を愛してやまない48歳。小誌編集長の干場(ほしば)がアニキと呼んだことから、いつしかアダ名がアニキに。趣味は、スナックで昭和カラオケ。呑みすぎると、歌いながら、なぜか干場と泣き合う熱き男。好きな場所は軍艦島。

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