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アニ散歩 File No.33

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

「江戸っ子」

公開日:

今回取材に訪れたお店

江戸っ子

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ピーコートはボタンをすべて閉じて着るのが俺のスタイルだ。ミリタリーのヴィンテージは厚手のメルトン生地で心まで温めてくれる。そんな相棒の襟を立て、再開発の進む立石駅北口へ向かった。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

2018年の着工で再開発が決定し、この呑んべ横丁も半分がすでに営業を停止している。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

昭和遺産がまたひとつ消えていく。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

時代の流れとは言え、武蔵小山駅前と同様にいつかは消滅してしまう本物の昭和横丁だ。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

いつか訪れたいと思っていた伝説のスナック「伯爵」は50年間の営業にピリオドを打っていた。残念すぎる。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

「人生のスパイス……」は健在だが、いずれすべてが消滅してしまうのだ。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

立石はしご酒は、南口の「宇ち多゛」からスタートして数軒後に、関所として「江戸っ子」を通過するのが王道コースとなっている。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

カウンターはコの字とL字のハイブリッド型だ。細長い店内は端から奥の焼き場まで大蛇のように一本で繋がっている。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

名物女将の上野紀子さんが、とびっきりの笑顔で迎えてくれる。敬意を込めて「ママ」と呼ばせていただく。再開発でいずれ立ち退きになるらしいが、「まだまだここは先よ」と聞き少しホッとした。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

夕方四時からの営業で、平日にも関わらず開店前に数名並んでいた。後何回このカウンターで「赤星」が飲めるのだろうか。ここでしか味わえない極上の一杯を流し込む。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

もつ焼きを注文してから、まずはすぐ出る煮込みを。優しいルックスがなんとも言えない。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

上品な白味噌ベースで、めちゃくちゃ柔らかいもつにシビれるぜ。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

「これも食べていきなさい。」といきなりママが差し出したのは、豚の赤身刺身の酢みそがけだ。優しすぎるぞママ!

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

豚の刺身といっても軽くボイルしてあり、たっぷりのネギと酢みそが絡み合い、めちゃくちゃウマっ!

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

ここではもつ焼きルールがあり4本のセット注文となる。具によってはこのように2種ミックスも可能だ。タレは甘タレと辛タレから選べる。これはシロとカシラの甘タレということ。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

めちゃくちゃウマっ!立石にはもつ焼きの名店がいくつかあり、それぞれ別物で異なる美味さだ。ここのはボリュームがあり柔らかくタレも俺好みってこと。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

「もっと食べていきなさいよ。」と完全に息子気分な俺。注いでくれるルービーが心に沁みるぜママ。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

するとママがいきなりアブラ辛タレを!これヤバいやつだ。完全に美味いっしょ。ママは俺の好みを知りつくしているのか?胸がキュンキュンして来たぞ。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

強烈にめちゃくちゃウマっ!江戸っ子気絶……ママ昇天!プリプリで甘みのあるアブラと絶妙な辛タレが口の中で広がる立石ファンタジーだ。こっちのタレの方が好きかも。いやいやママの方が大好きだ!

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

「江戸っ子」名物の特製ハイボール越しにママの笑顔がグッとくる最高のひととき。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

ウマっ!これ完全にヤバいヤツ。氷なしで飲むのが江戸っ子スタイルだ。なんのエキスが入っているのか、めちゃくちゃ飲みやすいけど泥酔注意ドリンクなのは間違いない。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

ありがとうママ。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

ママの優しい一言を俺は忘れないだろう。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

立石飲みは、昭和酒場ビギナーには少しハードルが高いかもしれない。しかし店のルールを守り、たとえ泥酔しても人に迷惑をかけず長居しないで次の店に移動すればいいのだ。再開発で消滅するカウントダウンは始まっている。常連も一見の客も同じように接する愛に溢れたママ、いつまでも元気でいてくれ。

立石の関所で気絶した、もつ焼きとは?

アメリカ海軍の通称10ボタンのピーコートはヴィンテージで1940年ごろのもの。当時のメルトン生地は黒に近いネイビーで、しっかりとした生地感も魅力のひとつ。軽いカシミアのピーコートにはない男らしさを感じる逸品だ。

Text:Eiji Katano
Photo:Shinpei Suzuki

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