- 昭和なアニキが語る定番服と赤星の名店「アニ散歩」
- 魚鳥木
公開日:2020/11/27 <59本目>
沼津で塩まぐろとシャバサバカレーに唸る!
沼津のなんともやるせないグルーヴが好きだ。駅前からつづくメインストリートの商店街とアーケードはリアル昭和が炸裂している。海風で茶色く錆びてエイジングされた信号機もたまらない。沼津に来ると必ず訪れるのが、沼津港とジュジュカという古着屋とスナック街の路地裏に佇む魚鳥木という酒場だ。飲み屋が何軒も連なった昭和遺産な建物の角がアニスポットなのだ。

雨の沼津も悪くない。レッド・ウィングのポストマンは歩きやすいだけでなく雨にも強い黒羽の相棒だ。

数年前にこの縄のれんをくぐって、赤星を見つけた時の興奮が再び甦る。

昼下がりの沼津でこいつを流し込む至福の時。キンキンに冷えた赤星の瓶ビールでなければいけない。

手書きのメニューに心が癒される。以前食べてウマすぎたあれからいくかな。

塩まぐろ本わさび添え! 沼津港が近いので極上のまぐろということ。あえて塩ってのがたまらない。色の違いは熟成の違いだ。

シンプルに静岡産の本わさびをつけるだけ。相変わらず強烈にウマすぎるぞ!

塩まぐろにルービーがとまらない。

鶏モツ塩煮込み! 牛ではなく、あえて鶏でまぐろにつづき塩ってのがイイネ!

カウンターの横から何か視線を感じると思ったら昭和なグラビアグルーヴではないか。しかしアイドルタオルってなんだ? 他に廃墟系とか気になる本もあるし魚鳥木のサブカルコーナーは侮れない。

いわし唐揚げさっぱりダレ! パリパリに揚げられたいわしにタマネギを混ぜて喰らう。絶妙なタレもバヤい。

沼津で飲む赤星は格別だ。すでに2本目が空いてしまった。

鶏しゅうまい! これまた豚じゃないってのが魚鳥木スタイルだ。大ぶりでジューシーすぎるぜ。

〆は、はじめて食べる魚鳥木オリジナルカレーだ。最近常連にも好評で遠方からこのカレーを食べに来るカレー野郎もいるらしい。しかもサバカレーだ。

まさかこんなにウマいとは。スパイスの向こう側でアニ気絶! インド的なサラッとしたシャバシャバカレーに近いが日本的でもある。和風スパイスで日本の米に合うし、サバの旨味が見事にスパイスと融合しているじゃないか。シャバシャバだけにサバダバ、シャバダバ、サバダバ♪サバサバ♪

アイドルタオルは非売品だがこの魚鳥木オリジナルTシャツは販売しているらしい。沼津駅のグラフィックがイカしてるぜ。

2016年に沼津に移住してきた素敵な佐々木さんご夫妻が心を込めて営んでいる魚鳥木はロックでジャズなギターのように俺を心まで酔わしてくれた。きっと絶品サバカレーは沼津のスパイスも効いているのだろう。さてと、ほろ酔いになってきたので、となりのスナックも沼津散歩してみるかな。
Text:Eiji Katano
Photo:Shimpei Suzuki


魚鳥木
[住所] 静岡県沼津市西条町27
[TEL] 090-9199-6881
[URL] https://doramarurock.wixsite.com/gyochomoku
[営業時間]
※営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。
【プロフィール】
片野英児(かたのえいじ)
1968年生まれ。昭和とメンズ服飾を愛してやまない52歳。小誌編集長の干場(ほしば)がアニキと呼んだことから、いつしかアダ名がアニキに。趣味は、スナックで昭和カラオケ。呑みすぎると、歌いながら、なぜか干場と泣き合う熱き男。好きな場所は軍艦島。
『沼津で塩まぐろとシャバサバカレーに唸る!』
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