なぜ赤羽は俺を夢中にさせるのだろう。駅に着くだけですでに酔っているかのような強烈な酒場グルーブを感じAKBNと口ずさんでしまう。昨年の3月にFORZA STYLEの「アニ散歩」で紹介した名酒場「まるよし」は建て直しのため休業し、同じ場所に蘇った。俺はあの時、赤星探偵団で新店舗を訪れると誓い、その約束を果たすためにココにいる。
足元はもちろんレッドウィングのベックマンだ。赤羽で呑む時はこいつじゃなきゃシックリこない。
サウナの文字が無くなった赤羽の女神が、今日も「飲み過ぎないでね」と俺に微笑む。
これは1年前の思い出ビフォアー。もちろんこの時も足元はレッドウィングだ。
昭和の名酒場が絶滅していく中で嬉しい復活がめでたい。
でもってこちらがビフォアー。店内はどうなっているのか?
めちゃくちゃ綺麗になってるじゃないか!コの字カウンターの位置はほぼ昔のままでホッとする。
一年前が懐かしいが、味は変わっていないのだろうか?
昔を思い出しながら、こいつを注ぐ昼下がり。
ウマすぎる!赤羽で呑む「赤星」は何かが違う。
そう言えば、カウンターの後ろのテーブル席は座敷だった。なんか同窓会みたいな気分になってきたぞ。
140円から値段別に分類された手書きメニューは健在だ。相変わらず安すぎる。
まずは350円の煮込みを一口。おっ昔のままだ。ずっと好きだったんだ!やっぱりこの味なんだよなあ〜
ふと足元を見ると、なんとこの足置きの木は旧店舗のものらしい。なんかグッとくる瞬間。
名物のキャベ玉350円は半分ソースをかけていただく。シンプルイズベストっしょ?これが妙にウマい!
昔は昔。今は今。綺麗になってもあの頃と同じ味ってのが落ち着く。
招き猫のポジションもほぼ一緒。
1年前はこんな感じ。久しぶりに会えて嬉しいぞ。
やっぱ玉ねぎフライ160円!これだ!これ!こいつが食べたくて1年が過ぎた。
気絶の向こう側で再開昇天!マジでウマすぎるぞ。
このまるごとの分厚さが「まるよし」なのだ。カリカリでホクホクがたまらないあ。
もつ焼きも忘れてはいけない。カシラの塩からいくべし。衝撃の一本90円!
さらにテッポウとシロのタレ180円でモツ気絶!
暖簾をしまった空間で「赤星」を呑めるラグジュアリーな時が過ぎていく。
営業時間前なのに店内の俺を見て常連が入ってこようとする中、最後に串かつ210円でフィニッシュ。撮影取材で一足先に一杯やっている申し訳ない気持ちがありながらも・・・・・・。
ガブリと強烈にウマい!ウマすぎる!カリカリ衣の揚がりっぷりは「まるよし」マジックとしか言いようがない。
最後にもう一杯だけ。セクシーな色の赤羽モヒートが俺の心を癒す。再び「まるよし」に会えてよかった。
自ら厨房に立つ大場社長は三代目まるよしだ。65年前に初代が赤羽で創業し、その後もつ焼きが人気となり二代目の時にキャベ玉と玉ねぎフライが誕生した。初代の時代からサッポロビール一筋で伝統のメニューは引き継がれてきたのだ。リニューアルしても味と精神は昔のままで常連に愛されている。
赤羽の乾いた風が吹き抜ける。さてと・・・・・・ここは赤羽。「赤星」を求めブラブラとはしご酒散歩でもするかな。
レッドウィングのベックマン・ブーツ。古き良き時代の製法でセミドレススタイルのヒールが大人のレッドウィングとして今履きたい一足。FORZA STYLEの企画で履き込み絶妙にエイジングされた相棒。
Text:Eiji Katano
Photo:Shinpei Suzuki